伯母に教わった事

昨年大好きな伯母が亡くなりました。
 
子どものいない伯母には、実の子のようにかわいがってもらっていました。
小さい頃、寒い夜には伯母の太ももに足を挟んでもらって寝ました。
社会人になってからは、一緒に住みテレビを消して話し込んだり。。。

伯母の口癖は
『人は助けて欲しいときに、助けないと。』
と、私の事もいつも気にかけ助けてくる優しい伯母でした。
 
 
『眺望を買ったの!』と桜島が目の前に見える高層マンションで、悠々自適に暮らしていた伯母に現れた変化。
電話で会話がとぎれる、転倒が増える、食事をとらなくなる、、
等、自分に厳しくしっかり者の伯母からはかけ離れた変化でした。
 
それから、ご縁をいただき、我が家から徒歩でいける、スタッフの方々が暖かいグループホームに伯母は入居できるようになりました。
 
 
そして、伯母が倒れた日。
倒れた前の日が娘の誕生日で、伯母に娘に
「『おめでとう』を言いたいから連れてきてね」
と言われていたのに、、、、私はその日連れていかなかった。
 
翌日の朝5時、意識不明の連絡が来た。
自分を責めた。後悔、絶望。なんて事をしたのだろう・・・。
何で娘を会わせなかったのだろう。
何をすればいいかわからなかった。
 
朝も早く申し訳ない気持ちでいっぱいだったが寝ている家族を起こし、状況を話すとすぐ出る準備をした。
 
ホームには、すでに救急車が到着していた。
「姪です。」と隊員の方に声をかけるとすぐに救急車のドアを開いてくれた。
「おばちゃん、みんなで来たよ!」と声をかけると返事をした。
意識が戻っていた。全身の力が抜けた。
 
「○○ちゃん」伯母が娘を呼んだ。
「○○ちゃん、お誕生日おめでとう。」伯母が言った。
 
パパに子どもたちをお願いし救急車に乗り込んだ。
 
揺られながら考えた。
『人は助けて欲しいときに、助けないと』
伯母の口癖。人が欲っしている時に、手を伸ばさないと、後ででは意味をなさないこともある。伯母の教えを改めて実感した。
 
会話もそう。聞いて欲しいときに聞かないとシャッターが閉じてしまうかもしれない。
 
言い訳を探さず、できることをしよう。後悔しないように。

昨年の夏、眠るように旅立った伯母。
 
 
もっと、家族を大切にしたい。周りの人を大切にしたい。
自分を大切にしたい。いろんな伯母との思い出に胸がいっぱいになった。


 

2022/1/21